2017年11月26日日曜日

国立科学博物館

 


11/24金曜日は努めている会社の特別休日でした。なんと四連休。
ということで、前々から行きたかった国立科学博物館に行くことにしました。飛び石連休の谷間とはいえ、平日なのでそれほど多くも無いだろうという予想をしつつ。

すばらしい晴れでございました。ランドマークタワーを望みつつ横浜基地を出発。


東京駅を通過して上野まで行きます。上野東京ラインでわずか30分ほど。


到着しました。上野公園の人は多いものの、皆さん目的地は様々なようで、国立科学博物館の常設展示を訪れる人は多くはありませんでした。予想通り。


入場料620円を払って入場します。詳細はHPを見ていただくとして、中は大きく地球館と日本館に分かれています。今回は地球館のみ攻略。


地球館へ。


いきなり地下三階まで降ります。なぜかというと、今回の訪問の目的である霧箱がここに置いてあるからです。


こちら。B3は物理関係の展示でありまして、その展示室の一番奥に霧箱が展示してあります。右側にはカミオカンデ/スーパーカミオカンデで有名になった浜フォトのオバケ光電子増倍管が置いてあります。


解説。


早速凝視します。霧箱そのものの構造を観察するのが今回の主目的です。軌跡はどうでもいい(笑 と言いつつもやはり見事な多数の軌跡に目を奪われます。
動画でどうぞ。


改めて構造をよく見てみます。いくつかの構造が上部に見えます。





まず、ガラス表面というか裏面にオレンジ色っぽい線。これはおそらくガラス面の曇り防止のヒーターでしょう。車のリアウインドゥにある熱線と同じもののように見えます。


その下には二種類の高さも形も異なる構造物があります。


暗いのでわかりにくいですが、右側の壁から出た後にすぐ下の方に40mmくらい降りてからチャンバ内を横切るように配置されている直径5mmくらいの丸棒。ぱっと見カートリッジヒーターのようです。間隔は200mm弱というところ。おそらくヒーターでしょう。上部を温めて下部の冷却ステージとの温度差を大きくとり、過飽和領域を厚くするためと思われます。軌跡を見ておりますと、過飽和領域は40-50mm程度の厚さがあるように見えます。冷却ステージの液面からこのヒーター様の構造物までは100mmくらいかな。


もう一つの構造が最も太くて邪魔(笑)です。やはりカートリッジヒーター風の構造が両端には見えるのですが、大部分は板材を曲げて作ったレール状の構造物に包まれています。ここは下部の(おそらく)エタノールを回収して供給し、蒸発させている部分でしょう。レール状の構造物の内部にエタノールが溜まっており、そこに浸されたカートリッジヒーターを温めて蒸気を発生させているものと思われます。



これらの観察から、現検討中のペルチェ素子冷却霧箱改は上部をヒーターで温める構造にトライしてみようと決めました。



チャンバ上下に温度差を大きくとることは、過飽和領域を厚くするために行われることですが、冷却ステージの温度を十分に低くできないときに何とか過飽和領域を発生させるためにも使えるのではないかと思っております。試してみましょう。

最後に霧箱周りの雰囲気をお伝えしましょう。全天球画像で。
Post from RICOH THETA. - Spherical Image - RICOH THETA

さて、メインの目的は達成しましたので、後は博物館を楽しむことにします。
さすが日本を代表する国立科学博物館です。地方の科学館とは一線を画す充実ぶり。
あまりゆっくりとは時間をとれませんでしたが、おもしろかったものを中心にいくつかご紹介します。

まず驚いたもの。万有引力を体感する実験です。あのキャベンディッシュがやった実験系を(さらに改善して)再現してあります。素晴らしい。
直径10mmくらいと40mmくらいの球の間に万有引力が働いて、固定されている大球に糸で天秤状に吊るされた小球が引かれていく様子を、小球を吊るす軸に取り付けられたミラーに反射するレーザーの輝点の動きとして観察します。
5分くらいの間に下の写真の右端に見える格子状の板の上のレーザー輝点が5cmあまりも移動します。



大球と小球。小球は中央の白いケースの中に保持されており、この写真では見えません。
それにしても面白いです。万有引力は重力として常に感じている我々ではありますが、身の回りにある物体からの引力を体感することなんてまずありません。
当たり前、頭ではわかっていることですが、こうやって目の前で見せられると感動します。


実験コーナーは、他に光速の測定、ジュール熱の体感といった展示があり、どれもたいへん興味深く面白いものばかりです。ジュール熱の実験は3回もやってしまった(笑

静物展示も面白いです。こちらは原器シリーズ。手前はセシウム原子時計の心臓部分。初めて見ました。が、よくわからんかったです。




展示の雰囲気を全天球画像で。
Post from RICOH THETA. - Spherical Image - RICOH THETA
ノーベル賞受賞者とそれを支えた科学の偉人たちのコーナーにはこのGaNウエハーに作り込まれた青色発光チップを光らせる展示がありました。青色発光ダイオードの研究現場は見たことあるんですが、GaNウェハーをよく見たのは初めてです。



タイマーでON/OFFしています。とてもきれい。


これも個人的にはツボにはまった展示でした。1cdの光源です。1カンデラね。
1カンデラってもっともっと暗いと思っていました。想像よりずっと明るいです、つか直視すると眩しく感じるくらいです。良い経験でした。


こちらは加速器を使った衝突実験で使われる検出器。この辺りはすでに現場で現物を見ています


元素好きとしては捨ておけない周期表現物。ずっと昔は玄関ホールにもっと大きなものがあったように記憶しているのですが、あれは国立博物館の方だったかもしれません。
昔に比べると随分と原子の種類が増えています。が、全部放射性のためモノはありません。つかビンに入れるほどの量があるはずもなく。


金属リチウムとか危なすぎ。ベリリウムの怪しい輝きもいいですねえ。ベリリウム手に持ってみたいんだけどさすがに無理であります。


プラセオジムの単体を見るとか。


希土類の後ろの方はどれも興味深いです。イッテルビウムの単体とか、ツリウムとか。
いや何とも面白い。


テルルですよテルル。


何かと犯罪関連で話題になるヒ素も単体ではこんなにも美しいのです。


ガリウム。...欲しい。


B3の物理コーナーはこれくらいにして、他の展示も見に行ってみましょう。
全天球画像で。

鉱石のコーナー。石好きの私は歓喜。

Post from RICOH THETA. - Spherical Image - RICOH THETA

生物界をレビューできる界門綱属科目種のコーナー。圧巻。


Post from RICOH THETA. - Spherical Image - RICOH THETA

私は生物にはあんまり興味がありません。分子生物学あたりになると生き物っぽくなくなってくるので面白みを感じ始めるのですが、いわゆる生き物には興味がわきません。
が、ここの化石系の展示には感心しました。素晴らしいです。




ワイド写真で。



全天球で

Post from RICOH THETA. - Spherical Image - RICOH THETA

お次、技術のコーナー。ここも期待。
いきなり大学でお世話になりましたこの式が(笑
じつは私、英国ケンブリッジにあります研究所でマックスウェルが使っていた机を見たことがあります。ホールに何気なく置いてあるのに驚いたのを思い出しました。


こちらは日本代表エレキテル。


奥の方にはさらに面白い大物が。


末期とはいえ江戸時代にこんなものが動いていたんですねえ。


エンジン。


カットモデルがあることに驚きます。


ゼロ戦もありました。ゼロ戦のエンジンは芸術品ですね。放熱フィンの美しさとか、ネジの一本一本までじっくりと見ました。
全天球画像で。

Post from RICOH THETA. - Spherical Image - RICOH THETA

これも面白かった。連立方程式を解く機械。
原理を見れば確かにこれで方程式が解けることは理解できましたが、それを実際に作るというのがすごい。何とも楽しそうであります。





こちらはエニアック風。真空管式計算機。


さすがのちの富士通であります。京のご先祖様というところですか。


宇宙開発についても多数の展示がありますが、ここはやはりこれでしょう。
はやぶさたんであります。






Post from RICOH THETA. - Spherical Image - RICOH THETA

はやぶさたんが実際にイトカワから持ち帰った粒子の展示もありました。
が、お子様が占領していて見ることができず。また次回に。


外に出てみますと、こんなものもあります。


ロケットランチャーです。ロケットランチャーと言われるとrpgみたいな小さなやつを想像しますが、こちらはガチ勢であります。マジにロケットをローンチするやつであります。


ということで、常設の半分だけをざっと駆け抜けただけでしたが、それでも3時間くらい見てました。



外に出ますと、上野公園は伊賀のご当地食材系のイベントが。いつもなんかのテント村になってるなここは。



疲れました。2万歩近く歩いておりました。
皆様も機会がありましたらぜひ一度お運びください。